PCDD(ポリ塩化ジベンゾ‐パラ‐ジオキシン)、PCDF(ポリ塩化ジベンゾフラン)およびコプラナーPCB(コプラナーポリ塩化ビフェニル)の総称です。
ダイオキシン類は、ものを燃やす過程で自然にできてしまう副生成物です。ダイオキシン類の現在の主な発生源はゴミの焼却によるものですが、その他にも、製鋼用の電気炉、たばこの煙、自動車の排気ガスなどさまざまな発生源があり、森林火災や火山活動からも発生するといわれています。
ダイオキシン類には、その構造により様々な化合物が知られています(PCDD 75種類、PCDF 135種類、コプラナーPCB 10数種類)。このうち、毒性があるとされているのは29種類の化合物ですが、それぞれの毒性が異なることから、ダイオキシン類の毒性を示す場合には、最も毒性が強いといわれている2,3,7,8-TeCDDを1とした場合の毒性等価係数(TEF)が用いられています。
ダイオキシン類は、「青酸カリよりも毒性が強く、人工物質としては最も強い毒性を持つ物質である」といわれることがありますが、これは、日常の生活の中で摂取する量の数十万倍の量を摂取した場合の急性毒性のことで、実際に環境中や食品中に含まれる量はごく微量ですので、私たちが日常の生活の中で摂取する量により急性毒性が生じることはないと考えられます。
我が国では、最新の科学的知見をもとに、平成11年6月にダイオキシン類の耐容一日摂取量(TDI)を4pg-TEQと設定しています。
私たちが体内に取り込んでいるダイオキシン類の総量の安全性の評価は、この数値との比較により行っています。厚生労働省が行った食品からのダイオキシン類一日摂取量調査等の調査(平成21年度)によると、わが国におけるダイオキシン類の1日体重1㎏当たりの摂取量(0.84±0.34pg TEQ/g)はこれより低い値(TDIの約1/5)になっています。また、畜産物(肉、卵、牛乳、乳製品)から摂取する量はTDIと比較して1.3%程度であり、これらの濃度で含有されたダイオキシン類が健康に悪影響を及ぼす可能性は低いと考えられます。
詳しい情報は、ダイオキシン類2009(ダイオキシン類対策関係省庁会議 2009)をご覧ください。