その他のお知らせ等
(一社)日本科学飼料協会または飼料関係業界からのお知らせ等があればこちらでお知らせする事があります。
月例研究会開催のお知らせ
第482回月例研究会を開催いたします。
演題:「ジビエ、給食そしてアニマルウエルフェア・・・肉」
講師: 押田敏雄 氏 (麻布大学 名誉教授)
講演の概要:畜産を議論する上で、ジビエ問題、給食(特に学校給食)問題、と畜のためのアニマルウエルフェアの問題は無関係な言葉ではなく、密に関連があります。今回、これらを概観し、総じてどのような姿勢、距離感で接するべきかを考えてみましょう。 ジビエ:鳥獣による農業被害は深刻で、まさにヒトと鳥獣のイタチごっこです。山間地では住民の老齢化によって、限界集落が至る所に見られ、ついには農耕や農業生産を放棄するケースも散見されるようになりました。さらに深刻なのはクマによる人的被害の顕在化です。 山野にシカやイノシシが増えることによって畜産分野にも脅威となっている場面があります。放牧地、採草地に侵入して牧草を盗食するシカ、豚舎付近を徘徊して豚熱を媒介しているとされるイノシシ、これらの事象は大問題となっています。これらを捕獲してジビエとして食べるような風潮は2006年頃から見られるようになりました。野生鳥獣が増えた理由、それらの有効利活用、今後の展望などについて紹介します。 学校給食:日本の学校給食は長い歴史を有し、諸外国からも注目されています。学校給食は多くの関係者の努力によって支えられていて、なかでも日々の献立の作成や栄養計算、衛生管理等に携わる栄養教諭や学校栄養職員の役割が大きいです。 学校給食の献立は、単にカロリーや栄養の摂取のみならず、児童・生徒に地域の農業や関連産業との結び付き(地産地消や有機農業、地域の伝統食や行事食など)を意識させることに加え、世界へ目を開かせることにも寄与しています。こうした学校給食において、食肉はタンパク質等の摂取の面で最も優れた食材であるだけでなく、食肉を用いた料理は、児童・生徒に圧倒的な人気があり、残食率の少ないものは食肉を使用したメニューなのです。格差社会化が進行する中、児童・生徒が等しく食事を共にする機会を提供する学校給食は、社会のインフラとして不可欠なもので、食肉はこうした役割を有する学校給食を支える最重要な食材であり、今後とも廉価で安定した供給が求められます。 アニマルウエルフェア:家畜の取扱は畜産物の品質や生産衛生に大きな影響を与えています。肥育完了した家畜を農場からと畜場に出荷する場合の最終段階の取扱の良否が肉質を左右し、収益にも大きな影響を与えていることは多くに周知されています。しかしながら、経験や勘のみに依存せずに、その具体的内容をマニュアル化し、多くの人々が安心・安全に家畜を取扱える共通認識が求められます。 また、動物福祉とは生活及び死亡時の環境との関係から生じる動物の肉体的・心理的状態を意味します。健康、快適、栄養状態良好で、安全、苦痛、恐怖、慢性的ストレスフリーの状態で飼育可能ならば、動物は良好な福祉を享受できるとされています。
開催日:令和6年5月24日(金)14:00〜16:00
開催方法:WEB開催(zoomのウエビナ―開催)
参加対象者:制限なし
参加費:2,000円(税含)*学生は無料
申込期日は、5月17日(金)正午までとし、お支払いは、5月21日までにお願いします。
*なお、期日までにご入金が間にあわない場合は、事務局までご一報ください。
◆◇◆近年開催した月例研究会(pdfにて資料提供)◆◇◆
*資料の無断転載は、ご遠慮願います。転載される場合は、協会の許可を得てください。
- ●第481回 「トランスジェニック(TG)ニワトリを活用した卵白からの医薬品タンパク質の回収【基本DNA構築、生殖細胞ゲノムへの挿入ベクター、TGニワトリ作出技術】
(元明治大学農学部教授) 丸山公明 先生 - ●第480回 「乳生産は哺乳管理で決まる?〜脂肪酸に着服した代用乳機能強化への取組
(広島大学大学院統合生命科学研究科家畜飼養管理学教授)杉野利久先生 - ●第479回 「北海道における自給濃厚飼料「イアコーンサイレージ」生産利用の取り組み」
(農研機構北海道農業研究センター)上田靖子 先生 - ●第478回 「家畜の飼料、生産性向上や糞尿処理などにおける微生物の有効活用
(農研機構畜産研究部門)田島 清 先生 - ●第477回 「ブタのアミノ酸栄養の新機軸」
(農研機構畜産研究部門)石田藍子 先生 - ●第476回 「先端技術と国土をフル活用した放牧型牛肉生産システムの開発への挑戦」
(北海道大学北方生物圏フィールド科学センター 教授) 後藤貴文 先生 - ●第475回 「乳牛の移行期(分娩)を健康に乗切るための取り組み」
( 酪農学園大学獣医学群獣医学類 準教授)福森理加 - ●第474回 「アメリカミズアブの昆虫飼料化による持続的食糧生産」
( 東京大学大学大学院農生命科学研究科 教授)霜田政美 先生 、( 人間環境大学 フィールド生態学科 教授)森岡伸介 - ●第473回 「牛乳房炎に対するプロバイオティクス飼料の有効性と抗乳房炎育種手法の開発」
(東北大教授)麻生 久 先生 - ●第472回 「日本飼養標準・肉用牛(2022年版)の改訂のポイント」
(京都大学 名誉教授)松井 徹 先生 - ●第471回 「ゲノム情報を用いたブタ育種についてー肉質から抗病性までー」
(農研機構 生物機能利用研究部門 生物素材開発研究領域長)美川 智 先生